ちらしのうら

感情の言語化をめざして

うまくなることについて

物心がついたときから趣味で絵を描いている。誰かと競ったりするわけでもないけど、昔からうまくなりたいと思っていた。


で、最近うまくなりたいと思う理由がわかった。わたしは技術的な意味でうまく絵を描きたいわけではなくて、自分の頭のなかにふっと湧いてきたイメージや解釈を思ったとおりに描きたかったのだ。それができることを「うまく絵を描く」。これがいちばんしっくりきた。

技術的な意味で巧い絵を描く人なんて山ほどいると思うけど、それよりもわたしは誰かにすきになってもらえることのほうがよっぽど大事だと思う。巧い絵ならプロの絵を見ればいい。


ただの好みだけど、わたしは完璧なものよりも個性を感じる絵の方がすきだ。たとえばまっすぐな直線よりもフリーハンドで描かれた線の方がすきだ。パースがきっちりしているものより、多少バランスが崩れているほうがすきだ。ああ、この描き手はこれが描きたかったのだな、この対象物がとてもすきなんだなと伝わってくるような絵がすきだ。

自分の思うままに、自由に世界をつくれるというのが、絵を描くことの醍醐味なのかもしれないなあなんてデッサンをしながらふと思った、7月の午後。