ちらしのうら

感情の言語化をめざして

花に嵐

ブログを更新していない間、すばらしいことも悲しいこともたくさんあった。そのいろんなことを文字に書き起こそうとしても、なんだかすべてが薄っぺらくて、こんな文章を残すくらいなら、心の中に大切に閉まっておこうと思い、気づいたら1年以上経っていた。…

働く女

よく働いていると思う。平均して21時に仕事を終え、22時に帰宅し、家事をこなし、気がつけば寝る時間になり、寝て、起きて、また働いている。今、悩んでいることがある。 悩んでいるのは本業の仕事のことではない。昔は「もっと自由でクリエイティブな仕事が…

モノが世界を変えた話

実家を出るときにベッド以外の物をほぼすべて処分して身ひとつで家を出たわたしは、どちらかというとミニマリストだ。部屋の乱れは心の乱れというけど、(わたしの場合は)本当にそのとおりだ。仕事や原稿の締め切り間近でズタボロのときはこんなに乱れるか…

特異点をささげること

ちぐはぐで、まったくやる気のないSFのような世界がやってきた日、わたしは「トップをねらえ2!」を観た。トップをねらえ2!は、新世紀エヴァンゲリオンなどを制作したGAINAXが設立20周年の記念としてつくられたアニメーションだ。前作は1988年にOVAとして制…

詩の話

まさか自分が詩を嗜むようになるとは思っていなかった。学生時代、国語の授業でなんとなく詩を読み、作者の意図が反映されているのかすら定かでない問いに、攻略方法を用いて解答するサービス問題だと思っていた。その一連の流れに情緒のかけらもない。 社会…

無題

「あらゆる動物の中で物語を楽しめるのは人間だけ」という言葉を胸に小説・映画・アニメ等あらゆるものを摂取し、心に栄養を蓄えて生きている。物語って、自分が経験した出来事とシンクロすると共感するし、物語上で未知の出来事が起こったときは世界が広が…

21時のシンデレラ

初恋か、その次にすきになった人だった。当時、小学6年生だった私にはませた年頃の女子らしく、同じクラスにすきな男の子がいた。その子は決してハンサムではない。かといって不細工でもない。モテるタイプでもなかった。背が低くて、髪型も丸刈りだったし、…

新年あけましておめでとう

あけましておめでとう。こんにちは2019年!あたらしい年がやってきた。 実は、というか、むかしからあまりイベント的なものに関心が持てる情緒を持ち合わせておらず、あたらしい年がきたからといって、とくに気持ちの持ちようは変わらない。 でもなんとなく…

印象をきめることについて

絵画教室では、毎週80歳くらいの元気なおじいちゃんが美しい日本画を模写している。もうすぐ完成なんですか?と聞いたら、「顔描いたらおわりやな。顔はいちばん最後に描くんや」と言っていた。顔が印象を決めるから、とのこと。 なるほど、と思った。 わた…

うまくなることについて

物心がついたときから趣味で絵を描いている。誰かと競ったりするわけでもないけど、昔からうまくなりたいと思っていた。 で、最近うまくなりたいと思う理由がわかった。わたしは技術的な意味でうまく絵を描きたいわけではなくて、自分の頭のなかにふっと湧い…

花言葉

ふと気になって自分の名前についている「梨」の花言葉を調べてみたら「愛情」だった。たくさんの大きな実をつけ、まるで感謝しお礼をしているかのような梨の姿にちなむそう。なんて素敵なんだろう。だいすきな両親から名付けてもらい、昔から自分の名前も漢…

幸福を記録するということ

デザインの本を読んでいたときに出会ったラルティーグの「スージーヴェルノン」の写真がまさに自由の象徴のようで、いつか展示を見たいと思っていた。Tシャツ、ジーパン、持ち物は財布とスマホのみという25歳のOLとしては失格のような格好で散歩をしていたら…

20代後半らしさ

一週間インフルエンザで会社を休んでいた。だけど思ったよりしんどくなくて、三食きちんとつくって食べて、すきな映画を観たり、絵を描いたり、漫画や本を読んだり。病気だったのに、普段の生活の何十倍も人間らしい生活ができた。 それでふと思い出した。村…

まっくろの言語化

きれいな言葉を心に貯めれば豊かになれる。けれどそうではない言葉を浴び続けると心がどんどん真っ黒になってゆく感覚、お分かりだろうか。そしてそんな真っ黒を、なんらかの形で放出しないと荒んでしまう。 幼い頃からその感覚がずっとあって、言葉の力をひ…

福永武彦『草の花』を読んで

感銘を受ける本に出会うときは、大抵の場合、本に呼ばれるものだ。この本との出会いもそうだった。ある冬の休日、いつものように本屋でふらふらと立ち読みをしていたとき、どうしようもなく「福永武彦」の名前に、そして本のタイトル『夢見る少年の昼と夜』…

年末

2017年ももう終わりだなんて信じられない。時間が経つのは早いなあ。今年はおみくじで「休息」の年だと言われていたので(なんと「色情を慎め」と書かれていた!)、その通りの1年だったなあと。自分の好きなこと・善いと思ったものを選びとっていくことの大…

旅立ちの時を鑑賞して

リヴァー・フェニックス主演の「旅立ちの時(原題:RUNNING ON EMPTY)」を鑑賞。人生のベストムービーに殿堂入りした。 テロリストの両親を持ち、FBIに指名手配されている身の上なために、半年ごとに引っ越し、名前・髪色を変える生活をする少年と家族の物…

生きるように演じること

1990年代に公開された「マイプライベートアイダホ」という映画でリヴァー・フェニックス演じるマイクのラストシーンが目に焼き付いて忘れられない。その後、若くして亡くなったリヴァーを表現しているかのようで、観終わってからとてつもない喪失感を抱いた…

ぼくの魂はきみとともに

アニメ化決定をきっかけに、ずっと読みたかったBANANA FISHを読了。 マフィア、売春、薬物、陰謀と重苦しいテーマで物語が進んでいく中、最も魅力を感じたのはアッシュと英二の友情を超える絆。誠実な人柄で無償の愛を与える英二の強さと、愛に触れて英二を…