ちらしのうら

感情の言語化をめざして

2018-01-01から1年間の記事一覧

印象をきめることについて

絵画教室では、毎週80歳くらいの元気なおじいちゃんが美しい日本画を模写している。もうすぐ完成なんですか?と聞いたら、「顔描いたらおわりやな。顔はいちばん最後に描くんや」と言っていた。顔が印象を決めるから、とのこと。 なるほど、と思った。 わた…

うまくなることについて

物心がついたときから趣味で絵を描いている。誰かと競ったりするわけでもないけど、昔からうまくなりたいと思っていた。 で、最近うまくなりたいと思う理由がわかった。わたしは技術的な意味でうまく絵を描きたいわけではなくて、自分の頭のなかにふっと湧い…

花言葉

ふと気になって自分の名前についている「梨」の花言葉を調べてみたら「愛情」だった。たくさんの大きな実をつけ、まるで感謝しお礼をしているかのような梨の姿にちなむそう。なんて素敵なんだろう。だいすきな両親から名付けてもらい、昔から自分の名前も漢…

幸福を記録するということ

デザインの本を読んでいたときに出会ったラルティーグの「スージーヴェルノン」の写真がまさに自由の象徴のようで、いつか展示を見たいと思っていた。Tシャツ、ジーパン、持ち物は財布とスマホのみという25歳のOLとしては失格のような格好で散歩をしていたら…

20代後半らしさ

一週間インフルエンザで会社を休んでいた。だけど思ったよりしんどくなくて、三食きちんとつくって食べて、すきな映画を観たり、絵を描いたり、漫画や本を読んだり。病気だったのに、普段の生活の何十倍も人間らしい生活ができた。 それでふと思い出した。村…

まっくろの言語化

きれいな言葉を心に貯めれば豊かになれる。けれどそうではない言葉を浴び続けると心がどんどん真っ黒になってゆく感覚、お分かりだろうか。そしてそんな真っ黒を、なんらかの形で放出しないと荒んでしまう。 幼い頃からその感覚がずっとあって、言葉の力をひ…

福永武彦『草の花』を読んで

感銘を受ける本に出会うときは、大抵の場合、本に呼ばれるものだ。この本との出会いもそうだった。ある冬の休日、いつものように本屋でふらふらと立ち読みをしていたとき、どうしようもなく「福永武彦」の名前に、そして本のタイトル『夢見る少年の昼と夜』…